大学時代に日本美術史の授業で聞いて以来、ずっと行きたかった正倉院展にようやく今年行く事ができました。
ずっと行きたかったのですが、毎年この時期なので、どうも行くきっかけがつかめず…でも行った人の話を聞くと、みな口をそろえて“よかった”というので、是非行きたいと思っていたのです。 正倉院展とは、年に一度、正倉院の中身を点検と虫干しをするために開けたときに毎年ちょっとずつ中身を公開する展覧会です。今は虫干しをするため…というよりは、その展覧会用に毎年テーマを決めて展示しているようです。 今年は宝物献納の1250年目の年ということで、聖武天皇ゆかりの品が多く展示されているということでした。 今年の目玉は、何と言っても“国家珍宝帳”という、宝物を書き出した目録です。 これはたしか歴史の教科書にも載っていたような…。なんでも噂によると、正倉院を(点検の為に)開けたときにまず一番最初に無事を確認されるというほどの重要な品なのです。 これは、なかなか見られないものなので、今年行けてラッキーでした。 とにかく保存状態がよく、まるで“え?本物?”と疑いたくなるような逸品でした。紙が白く、筆も達筆で、書に心得のない私でもすばらしいものだとすぐに分かるようなものでした。その筆の達筆さから、よほどの階級の人が書いたのではないかと言われているそうです。 あと、私が面白いな〜と思ったのは、聖武天皇がお気に入りだったという袈裟が展示されていて、その袈裟も美しかったのですが、その“袈裟をつつむ包み”“袈裟をつつむ包みの箱”“袈裟をつつむ包みの箱の袋”…と、厳重に保管をされていて、そのそれぞれの箱や袋も芸術品としての品位を保っているということ。それぞれがとてもよくできていて、とくに袈裟の箱などは動物の皮を漆塗りしたもので、今でもこれ、あったら欲しいな、と思わせるものでした。 緑瑠璃十二曲長杯(色ガラスのさかづき)が個人的には一番お気に入りでした。 ガラスでできたボウルのようなものなのですが、色がなんともいえず深みがあって独特でした。素材は鉛ガラス(?)という鉛が混入したガラスということで、現代の切り子などとはちょっと違う感じなのですが、これはこれで素材感がよかったです。 昭和初期のガラス工芸品を思い起こさせました。 他にも色々いいな〜…と思うものはたくさんあったのですが 全部書いていると大変な量なので(笑) でもまず思ったのは、この時代、外国からの文化がかなり影響していたんだな、ということでした。どの品にもシルクロードの香りがちょっとしました。 あと、どれも保存状態がよく…本当に今まで見た美術品の中ではダントツの保存状態の良さでした。これはやっぱり校倉造りのおかげなのだなあ…と、歴史的建造物のすごさを思い知らされました。 念願の正倉院展、やっぱり行って大正解でした。 ただ、毎年ちょっとずつ展示されるため、何年か通わないと全部は見る事が出来ないのですが、これをきっかけに毎年行ければな、と思いました。 ちなみに今年の正倉院展は11月12日(日)までです。 興味のある方はお早めにどうぞ。 ■
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by mistilteinn
| 2006-11-05 14:48
| art
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