上野に行ってきました。
今日は創立記念日で会社がお休み。 生憎の雨で外に出る気も失せがちなのですが、せっかくの平日休みなので上野に日曜美術館展を見に行く事にしました。 今回は日曜美術館の放送開始30周年を記念したもの…という事で、過去に放送された時のコメントと共に作品が紹介されていました。 私のお目当ては高橋由一の“鮭”。誰でも一度は目にした事があると思いますが、私はこの絵が昔から大好きで。芸大の美術館の所蔵なのですが、いつも見られるというわけではなく、特別展がある時にだけお目見えするので展示があるとついつい出掛けてしまいます。 上野駅を出ると相変わらずの土砂降り。 上野公園を抜けて、前の朝ドラで東京音大(現東京芸大)の建物として使われていた奏楽堂を横目に見つつ、 G-CLEFも通っていた、東京芸術大学音楽学部。 割引で1,100円を払い、中へ。 中に入るとまず鮭が。これは反則でしょう!だってここだけで15分は使ってしまうのだから。(笑) でも今日出掛けたのは正解でした。平日の昼間+雨と言う事で、がらがらでした。おかげで一枚一枚堪能することができました。 さすが日曜美術館30年展だけあって、すごく中身が濃かったです。 やっぱり一番は鮭かな(笑)でも、今回初めて気がついたのですか、この絵、私が生まれるちょうど100年前に描かれた絵なのです。…それはすごいなあと。100年前って言ったら第二次世界大戦よりもずっと前だし…それであの絵はすごいよね。 あとは鏑木清方と棟方志功がよかったです。鏑木清方はどれも美しかったけれど、特に曲亭馬琴かな。日本画なのですが、真ん中に行燈がおいてあり、その回りに人物が配されているのですが、そのあかりがとても柔らかく幽玄で心を奪われました。 棟方志功は二菩薩釈迦十大弟子という連作(?)の展示で、相変わらずの力強いタッチで、昔テレビで見た棟方志功の製作風景を思い起こさせました。 志功は極度の近眼だったため、顔が板につくぐらい顔を近付けて板を彫るのですが、これもそうやって作られたのかなあと思うと感慨深かったです。 あとは藤島武二の黒扇ですね。 この絵はとても有名だし、今回のメインとなっている絵なのですが、私は正直あまり好きではありませんでした。 しかし、実物を観て圧倒されました(笑) なんというか…ムダな線がないのです。粗くさらっと描かれているようでいて、その実、線の一本一本の太さから強弱のつけ方まで、計算されているように的確に描かれているのです。特に鼻と顎のラインが綺麗でした。解説を読むと、藤島武二はもともと日本画を描いていたので、日本画の要素を取り入れられているとのこと。納得。日本画の方が“デザイン性”が高いんです。 あ、あとこの間“美の巨人たち”で見て、是非生で見たいと思っていた、高島野十郎の“蝋燭”と“からすうり”が見られて嬉しかったです。 本展でお腹いっぱいになったところで、特別展示の漆の部屋へ。 今回は日韓の漆の新進作家たちの作品展示と言う事で見ていると…ありました!私の研究所時代の先生の作品が! 私が美大受験生だった頃、芸大の漆芸科の学生だった担任の先生は卒業されてから漆芸家として活躍されているので、“あるんじゃないかな〜”と思っていたのですが、やっぱりありました(*^_^*)実物大ほどの何本もの花が上に向かって咲いている、とても綺麗な作品でした。花は薄いオレンジ色で、漆ってこんな色も出せるのねと思いつつ、先生の顔写真を眺めながら“あれからもう10年も経つんだなあ…”と受験生時代が懐かしくなりました。180cm以上あるでっかい先生だったんだけど、あの頃は先生いつもニットの帽子かぶっててかわいかったなあ…。とか 昔に戻りたくなっちゃったところで次の目的地、陳列館へ。ここは同じ芸大の敷地内にある別の建物なのですが、これまた瀟洒な素敵な建物。ツボ。 この中何が行われているかと言うと…ジャーン!歴代のグッドデザイン賞の作品展示です。 3時から現役デザイナー達のディスカッションがあるということで、とても見たかったのですがお昼を食べずにほぼ3時間立ちっぱなしで貧血を起こしそうになっていたので残念ながら退散…。 ミュージアムショップで図版を買おうと思ったのですが、高かったのでポストカードとクリアファイル(こっちのが図版よりも絵が大きいんだもん!どゆこと?)を買って帰ろうとすると…なんと芸大鉛筆なるものが!(笑)東大なら分かるけど、どうみてもデッサン用の鉛筆じゃないし(もしかしたらそうだったのかもしれないけど。)どちらかというとこっちでしょうということで、芸大エスキース帳(かなりマニアック)を購入〜♪ は〜…内容の濃い一日でした〜☆ ちなみに日曜美術館展は10月15日(日)までなので興味のある方はお早めに。
by mistilteinn
| 2006-10-06 22:30
| art
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